色々なクロス取引
クロス取引とは、ある銘柄において、買い注文と売り注文を同じ数だけ同時に行い、株価変動による利益と損失を相殺し、株価変動のリスク無く取引する手法です。
私がクロス取引を知ったのは、優待をノーリスクで取得する優待クロス取引でした。
2023年8月に初めて優待クロス取引を行いました。優待が送られてくるのが楽しみです( ̄ー ̄)ニヤリ
優待だけじゃなく他の利益を目的としたクロス取引が存在します。この記事では色々なクロス取引について紹介します。
※私もまだ優待クロス取引しか経験してないので、これから初心者の私に出来るかどうか考察します。
優待クロス取引
優待取得を目的に、権利付最終日前にクロス取引する方法です。
取引方法
現物買い✕信用売り
コスト
- 現物買いの手数料
- 信用売りの手数料
- 信用売りの貸株料
制度信用の場合は、上記に+逆日歩が付く場合があります。
リスク
信用売りを一般信用で行う場合は、ほぼノーリスクと言って良いでしょう。コストと利益(株主優待)が取引前に把握できるため、安心して取引が行えます。
詳しくはこちらの記事に。
配当金クロス
配当金も優待と同じように、権利確定日に株を保有していると権利を獲得できます。逆に売建を保有している場合は支払いが発生します。
信用取引の配当落調整金(配当金のようなもの)は現物とは扱いが異なります。制度信用の売り建の場合、支払う額は配当金から15.315%(所得税・特別復興所得税)を差し引いた配当金の84.685%となります。
配当クロスでは、現物買いで100%の配当金を取得し、制度信用売りで配当金の84.685%にあたる配当落調整金を支払います。
※この差額に、税率20.315%(所得税・特別復興所得税15.315%、住民税5%)が課税されます。
つまり、配当金相当の12.252%が税引き後の利益になるということですね。
注意:実際には、現物買いの場合は税率20.315%が引かれた額が入金され、後に支払った配当落調整金と損益計算され、払いすぎた分が還付される形になります。還付されると、配当金15.315%に対して税率20.315%分だけ課税された状態になります。
参考までに、以下口座に入金される額と引き落とされる額です。
現物買い 配当金 |
配当金 - 税率20.315%(所得税・特別復興所得税15.315%、住民税5%) |
---|---|
信用買い 配当落調整金 |
【一般も制度も同じ】 = 配当金の84.685%が入金される |
信用売り 配当落調整金 |
【一般信用】 配当金100%を支払う 【制度信用】 配当金 - 15.315%(所得税・特別復興所得税) = 配当金額の84.685%を支払う |
---|---|
注意:配当落調整金は税制上、配当所得ではなく株式譲渡損益の計算に含まれます。
取引方法
現物買い✕制度信用売り
コスト
リスク
配当金クロスでは制度信用売りを行うので、逆日歩のリスクがあります。逆日歩は、予想等は出ているものの蓋を開けてみないとどのくらい発生するかわかりません。思ったより売られていた場合、赤字となってしまいます。
資金が少ない私には、大きな利益は見込めない割にリスクも取らなきゃでなかなか手が出しにくい手法です(・・;税の還付とかもややこしいですね。
逆日歩狩りクロス
ここまでのクロス取引だと、逆日歩は悪なイメージでしたが、逆に逆日歩を狙って取引する方法もあります。
制度信用取引では逆日歩が発生した場合、売建てでは支払いが発生し、買建ての場合は逆に貰うことができます。
逆日歩狩りクロスでは、権利落ち日に確定する逆日歩獲得を狙い、制度信用の買建てをする方法です。
取引方法
制度信用買い✕一般信用売り
コスト
※名義書換料とは、信用買建てを権利確定日をまたぎ持っていた場合に発生する費用
リスク
コストが多いわりに、利益となるのは逆日歩だけです。逆日歩はいくらつくか分からないので、予想よりつかなかった場合は損失となります。
きちんとシミュレーションはしてないですが、確定コストが多く、なかなか甘くはないなと感じます。クロスせずに、逆日歩狩りしたほうが良い場合もありそうです。
まとめ
ざっとクロス取引を載せましたが、優待クロス以外は、きちんと考察したうえで取引しないとリスクが大きそうです。
優待が少ない月に、優待クロス以外の取引ができたらなぁーなんて思いましたが、なかなか簡単に儲けさせてはもらえなそうですね!